新米で食す旬のサワガニ、ある秋の朝食。及び初物 おケラ、カブトムシ

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新米で食す旬のサワガニ、ある秋の朝食。
及び初物 おケラ、カブトムシ


牧場物語余録

◆ 今日は珍しく 「初めての食材」 に出会ったので写真を撮った。
『お?いつものコオロギか……』と思ってつまんでみたら、形が違う。
よく見ると、
あの 土の中にいる オケラ
味付けされて ごっそり炒られていたのだった。

「これ、土の中の虫?」と、僕。
「そう。電灯に飛んでくるのを捕るの。やってみたい?」
「……うん、やってみたい。」

子どもの頃 家の前の通りの道ばたなどから掘り出して
「お年、な~んぼ?」などと呼びかけながら遊んだ記憶はあるが、
僕はオケラが群舞するのをまだ見たことがない。

オケラの群れをまさぐってみると
時々他の虫も混ざっている。
バッタ、コオロギ、コガネムシ系……、 カブトムシ~!!
去年から度々紹介してきた
例の、「上下で挟む角」を持つタイプのやつだ。

※ この写真のカブトムシ
よく見るとお腹の部分がないでしょ?
僕が食べました。
味は 他の虫とそうは変わらないのだけれど ちょっと甘い感じで、
さすが というか、お腹の皮も結構むちむちと手強い食感でした。


◆ それはそうと、
一時帰国中に一番良く訊かれたことの一つが
「あっちは一年中暑いんでしょ?」という系統の話だったが、

いやいや。そうでもない。
バンコクあたりで都会暮らしをしていては解りにくいかも知れないのだが
ノンルアのような田舎で一年通して暮らしてみると、
当地には当地流に季節のサイクルがあって、
秋には秋の味覚があるのだ。

野ネズミ を紹介した折にも書いた気がするが
刈り入れのあとの田んぼの野ネズミ以外は美味しくないので食べない
という話だったし、
現に市場でも 半解剖状態の磔姿勢でネズミが売られているのは
この時期だけのようなのだ。

◆ 一、二枚目の写真は、つい先日の朝食風景。
いや~、じつにおいしかった~。
こんなに「豪勢」なのが「朝食」だなんて……
しあわせだな~って気分。

主食の カオニャオ(もち米) は前日張り込んで買ってみた 【新米】
もちもちの弾力がいつもと違っていて、
ぎゅっぎゅっと握っても「お餅」状態にならず
口に入れても 一粒ずつが ぷりぷりっと自己主張をやめない感じ。

右上の赤黒いものは 唐辛子系の味噌?
カオニャオをコレに押し付けて食べる。
これだけで一食行けると思われるほど旨い
そういう意味では そこいらの梅干しや漬け物一般より一歩リードしている
おかずと言えそう。

◆ その左下、オレンジ色のは
タケノコのココナツミルクケーン (汁物一般をケーンと言う)

◆ その左下、四角いお皿に載っているのは 大タニシのラープ
ピンポン球前後のタニシ?を煮て辛子味で調理したもの。
これだけでも二膳ぐらい行けそうだし、
酒の肴にぴったりだと思うが、まあ、今は朝食……、自重 自重。

◆ アルミの大きなお盆に載っているのは、
東北部(イサーン)では主食並みに ほぼ毎日食べる ソムタム (パパイヤの辛いサラダ)の一種だが、
今回のには、 ナマのサワガニが入っている!
上の方で二三匹だけひっくり返っているように見えるが
元はと言えば、このお盆にてんこ盛り!だったソムタムだ。
ささがきしたパパイヤの間にも 甲羅を剥がしてざくざく入れてあったのを、
みんなが我れ先にと つまんで食べてしまった状態がコレ。

「サワガニ」自体は、
塩漬け風にした(日本人には)しょっぱくて臭いものなら年中あるので
しばしば、と言うより こちらではほとんど通常
「ソムタムと言えばサワガニが入れてあるもの」なのだが、
ナマのが入っているのは珍しい。

◆ 左の器に うようよ居るのが、その ナマのままのサワガニ
小さいのはナムプラー(魚醤)、マナオ(スダチ系柑橘)、
(+味の素)でさっぱり味を付けて
こうしてナマのままポリポリッと食べるわけだ。

こちらの文化は、
魚の刺身は一切食べないが、
牛の生肉などは包丁でミンチにしては 生き血をまぶして食べる文化だ。

小エビの躍り食いもやるが、サワガニもやるとは
このあいだまで知らなかった。

◆ 右下のカレー風に見えるケーン(汁物)は、
大タニシとサワガニ入りの野菜ケーン
大きめのサワガニはさすがに堅くてナマでは囓れないので
こうして……「身」と言うより「蟹味噌」?を溶かし入れて食べるらしい。
コレこそが季節感いっぱいの味らしく、
みんな なんとなく うっとりした顔つきで
スプーンで掬っては飲んでいた。

◆ 下の方に見えているのは、 魚の干物 を焼いたもの。
こちらの焼き方は、肉でも何でも焼くとなったら一部が炭化するほど焼く風習のようで、
コレもややその傾向はあるものの、おいしいことに変わりはない。
瀬戸内育ちの自分にとっては
魚の干物は 子どもの頃の「祖母の味」でもあり
からしっぽの先までぽりぽりと囓っては思い出にふけってみたりするのである。

◆ 一番下にちょこっと見える、
日本人ならおそらく推定できる縞模様の小袋、
そうです、試みに持参してみた 永谷園のお茶漬け海苔
これらの朝食をおかずにして 食べてみました。がはは~
(率直に言って、仮にもお茶づけ海苔だけの朝食って……侘びしい……)

ただ、
「なんでそういう汁物を お箸なんかで食べるんだ?」と言わんばかりの怪訝そうな眼差しを感じたので、
タダでさえお茶碗を持ち上げること自体も遠慮しているのに
がつがつと掻き込むのもどうかと思い、フォークで掬って食べてみました、左下のお茶碗がその名残り……。

※ それにしてもこのお茶碗が変わっていて、
箸置き用の切れ込みが付いている優れもの。
日本にもあるのかな?(写真クリックで拡大してみてね)


◆ 人物紹介。
左下がオーイで、右下がオーイの長男エー。
右上がオーイの弟ノイ。

そして、左上にいるのが、
オーイのもう一人の弟ウイの(元の?)奥さんであるエーと、
ウイではない今の彼氏とエーの間にできた子のテープ。

つまり、この母子はオーイ一族とは「血の繋がり」は無いわけだが、
そういうことには(一見)頓着せずに
泣いただ、転んだだ、おしっこだ、うんこだ……と
オーイのお父さんからオーイの息子達に至るまで
みんなでわいわいと(半分はおもちゃにしながら)可愛がっている。

ウイとエーとの娘であるチョムちゃんがノンルアの学校に通うことになったので、
その母と異父弟が一緒にしばらく滞在している……といった感じ。

ちなみに、チョムちゃんの学資は
月3000バーツずつ
父親のウイがプーケットの出稼ぎ先から送ってくる。
(……ことになっているのだが……)

◆ 考えてみれば、
オーイ自身も法律上は未婚の母で、
その息子達もみんな「父親不在」で育っているので
このテープ君だけが特殊なわけでもない、……か?


まあ、朝食は 実に美味しい 旬の味のオンパレードなのであった。
マイペンライマイペンライ

※ 何はともあれ、今回からは やっと ADSL
写真デカ過ぎ?でも1回で送れちゃった~。