いや~、本当にあるんですねぇ 【イマージョン教育】


◆ いや~、本当にあるんですねぇ、【イマージョン教育】

◆ イマージョン教育 というのは、
以下に引用する「求人要項」末尾の「備考」欄にあるとおりの方法で、

母語以外 の言語で すべての授業をするバイリンガル養成教育】です。

◆ しかも、これまでの僕自身の認識としては、

「……60年代に カナダのケベック州
英語を母語とする子供たちに フランス語で 教育を行ったことが
よく知られている」
……などと 「用語集」などでは必ず例に挙げられている如く、

主に? 「2言語を併用している地域で」の話 か、
日本国内で言えば、各地の朝鮮学校での、
在日韓国朝鮮人2世3世に対する 民族教育 のように、

それなりに「やむにやまれぬ必要」があっての
どちらかと言えば「苦肉の策?」だとばかり思いこんでいたので、

この モンゴルからの「求人要項」を読んで
無茶苦茶 驚愕 してしまいました。

この求人例では、
モンゴルで日本語 のイマージョン教育ですからねェ。

※ モンゴル側の詳しい趣旨は判りかねますけれども、
僕には被・植民地根性にしか見えない
一部にっぽん人の 「インターなちょなる英語熱」症候群
に酷似しているような気がして、
真っ先に『子供たちが気の毒!』と思えてしまうので、
もうその時点で 僕には応募の資格がありませんね、がははは。



★ 備考 ★
2003年に創立された新しい小学校です。
1クラスは15人~25人です。
学校は9時から5時まで(昼食、間食あり)
モンゴル語以外の授業は、すべて日本語で行われます。
日本語、算数、生活など、必要な教科書や図工の準備もしていただきます。
始業は9月1日ですので、8月中旬に来ていただける方が望ましいです。


……まあ、ひとクラス15人からと言えば、目が届かない人数でもなく、
多分相当のエリート小僧たちが 毎日8時間 日本語にどっぷり漬けられて
インプット量は相当なもんでしょう。けれどもねぇ……


◆ すべては 経済力のなせる業 なんでしょう。

以前 僕がボランティアで日本語を教えていたモンゴル系中国人のかたも、
内モンゴル自治区に住んでいるので 子どもの教育に使う言語を
中国語かモンゴル語 選べる にもかかわらず、

自分自身の母語であるモンゴル語よりも中国語による教育に進ませた
とおっしゃっていました。
モンゴル語話者のままでは ちゃんと?就職が出来ないのだ」というお話でした。

◆ ああ…、
こう考えてゆくと、
なるほど、イマージョン教育(それから サブマージョン教育
昔からあったんですねえ……。

ドイツ語で小説を書いた人なのでドイツ人だとばかり
思いこんでいた フランツ・カフカ
実はプラハ生まれの チェコだったりする、
強い言語が弱い言語を押し込める、そういう世界に繋がっているわけだ。

◆ でも その「弱い言語」を 文化的価値の高さで守りきる あたりが
チェコ人の凄いところだなあ……
(そら もちろん 上方落語大阪弁しゃべくり漫才も忘れてますかいな!)

もはや廃りようもない「ロボット」も 元はチェコ語
カレルチャペック 等々を支え産みだし誇る文化が あそこには在るらしい)
正岡子規にも、伊予弁で俳句 作って 論じてもらいたかった のもし。

◆ 東北タイ(イサーン)地方の子供たちが
(テレビが無い時代には ちんぷんかんぷんだった)中央タイ語 だけ で教育されてきた事実にも
あらためて関心が向きます。
こちらでも、昔の日本同様に、「タイ語」は「ガッコーの言葉」なのです。

【サブマージョン教育】
アルク日本語教師養成講座NAFLのテキストには こうあります。

「少数派言語集団の子供たちが
通常行われている 多数派言語集団の学校教育 を受ける場合の教育形態です。
子供を深いプールに放り出して、
特別の練習をしないで早く泳げるようになることを目指す
という考え方にたとえられます。

子供によっては上達する子もいますが、
途中でおぼれてしまったり、水中で苦しむ生徒なども 出てきます。」

最後の一節あたり、
執筆者は、非母語話者児童生徒らに対する 日本国政府の徹底的な無為無策ぶりを
告発しているようですね。


モンゴル、ナラン小中学校「求人要項」
↓↓↓
URL:http://www.nihonmura.com/ja/job/archives/2006/06/post_1444.shtml

ナラン小中学校

勤務地…… モンゴル国ダルハンウール県第10地区

条件…… イマージョン教育に 理解と 知識のある方
子どもが好きで、明るく体力に自身のある方
適応能力があり、想像性のある方
経験があれば望ましいが、やる気を重視いたします

勤務形態…… 小学校教諭(専任)

待遇…… 月給$100(モンゴルでは生活できる金額です)
帰国時の航空券(往路は自己負担となります)
住居提供(電気、水道代を含む)ただし、一人住まいではありません
学校での昼食の提供
招待状、長期滞在許可は学校から発給

応募方法…… Eメールにて履歴書を送付ください。後日こちらからメールにて連絡いたします。

応募締切日…… 2006年7月30日まで(ただし、決まりしだい終了いたします)

連絡先…… Mongolia Darkhan Uul Aimag Central Post office BOX-826
モンゴル国ダルハンウール県新ダルハン1A-2-17

担当者名 ネルグイ
電話 976-1372-28893(学校・夏休み中)
   976-1372-28853(自宅)
FAX 976-99373888(携帯)
Eメール naranono2000@yahoo.co.jp

備考…… 2003年に創立された新しい小学校です。
1クラスは15人~25人です。
学校は9時から5時まで(昼食、間食あり)モンゴル語以外の授業は、すべて日本語で行われます。
日本語、算数、生活など、必要な教科書や図工の準備もしていただきます。
始業は9月1日ですので、8月中旬に来ていただける方が望ましいです。