チェンライの虫、犬、おかず

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3




チェンライの虫、犬、おかず



◆ チェンライで不思議だった事の一つが、
羽虫の類が異常に少ないことでした。
「異常に」とは、またオーバーな……と言われそうですが、
ノンルアでの夕食風景を見たら、
蛍光灯に集まる羽虫類の多さに度肝を抜かれることでしょう。
(まぁ、日本でも、田んぼ近くの街灯などではちょくちょく眼にしますけどね)
それが、チェンライではほとんど居ませんでした。
あれはどうしてなのでしょうかね。

その結果?かどうか、
ノンルアあたりでは ふつう家の壁に十匹か二十匹は張り付いて
羽虫を狙っている チンチョク(ヤモリ。黒眼がかわいい)を
ほとんど(ホントに ほとんど!)見かけませんでした。

◆ チェンライでチンチョクをじっくり見たのは、
土産物屋で売っていた、
《二本しっぽの幸運のチンチョク》のミイラ
背中に金色を塗りつけられて、
今でこそ「プラスティックケースに封印」されて売っていましたが、
昔はそのまま持ち歩いていたのでしょうかね……。
高いのか安いのか、おばさんも決して値切らせないで70バーツでしたが、
「本物かどうか判らないので買わない」とはラックさんの弁。
彼はいつも本物の ソレ を持ち歩いて時々自慢げに見せてくれます。
(ご希望があれば、写真を撮ってアップしますけど?)
土産物屋のも、「本物?」らしく確かに尾が二本生えておりましたが、
『こんなもん、本物も偽物もないよなぁ。
だいたい、受精卵の発生段階で、手を加えればどんどん作れそうじゃない?』
……てな事を考えてしまった、「元 生物部員」でありました。

◆ 羽虫が少ない代わり……でもないですが、
ラックさんのお連れ合いが、何度となく驚いて口にしていたのは
「蚊が大きい!」「蚊が大きい!」
「どうして こんなに大きいの?」という言葉でした。
確かに、ノンルアの蚊の2倍以上あります。
が、僕から見ると《普通》の蚊。実は、ノンルアの蚊が小さめなんです。
つまり、チェンライの蚊は、日本の蚊と変わらない大きさでした。

ノンルアのもチェンライのも、
タイの蚊は、どっちかというと「どんくさい」蚊です。
日本の蚊のように、素早く、神出鬼没ふうには現れず、
ふつう 4,5匹が の~んびり飛んで、ゆっくり吸って行こうとするので、
ちびっ子たちにもよく叩かれております。
そして 痒いことは痒いのですが、
日本の蚊の方が 長い長い間、 シツコク痒い と思います。
どこかしら、タイ人と日本人の性分に似ている気がします。

それにしても、タイではボウフラを見た記憶がないな。
どういうところで湧くのかなぁ。


◆ それから、チェンライでは
(と言うべきか、ラックさんの実家付近では、か?)、
ノンルアではそこらじゅうで大の字なりになって
「日向ぼっこ」ならぬ
《「日陰昼寝」している犬たち》の姿を
ホントに見かけませんでした。

飼い犬は居るのです。しかも でかいでかい!
特に、一般に《妙に顔がでかい》犬たちでした。
僕自身、日本ではラブラドールを飼っていたので驚くこともなさそうなものですが、
ノンルアの犬たちは、多くはバイクの前かごで~運べる程度、
おおむね中型犬止まりの じゃれて遊ぶためのペット。なのに対して、
チェンライの飼い犬は、中型犬から大型犬、
「子どもが抱いて遊べない大きさ」で、「番犬」かな?という印象でした。

◆ ラックさんの実家付近だけの特徴かどうか、
各家庭に四輪車があり、 《門扉》がある のもノンルアと異なっていましたね。
たとえば例の土器職人夫妻宅にも車があり、
鉄扉ではないですが、夜になると竹で編んだ門扉が立てかけてありました。

ノンルアにもブロック塀や門扉のある家が増えつつありますが、
新築の家にしてさえ、まだまだ昔ながらの、隣近所との囲いなど無い、
開けっぴろげな家が多いです。
ただし、ノンルアには牛飼いがたくさんいるので、
(泥棒対策と言うよりも)あくまでも敷地に牛が入ってこないようにと
道沿いに有刺鉄線を張り巡らしたりすることはあります。
でも《門扉はほとんど無い》ことに、
チェンライへ行ってから あらためて認識しました

◆ 牛と言えば、アチラでは、牛もあまり見かけませんでした。
ラックさん達の話だと、
普通の牛は少ないので、その代わりに 水牛の肉が主流
ということでした。
忘れないうちに書いておきますが、
ラックさんの実家付近の「市場」はノンルアの十分の一もない小さな市場でしたが、
あれは、いろいろと自給自足が可能だからかな?と思いました。
しかも、肉、魚、野菜、果物等の食べ物でも箒や籠類の雑貨でも、
ノンルアより、《二,三割程度 安い》んです!
アレはどうしたことでしょう……。
ものが充分にある ということで、結局は安いってコトなのでしょうかねぇ。

僕がアチラで一番美味しかったのが、 「水牛肉の網焼き」 です。
ぴりっと辛くて、ほどよく柔らかく、ほどよく歯ごたえがあって、
酒屋やコンビニで売っているどんなビーフジャーキーよりも一回り大きく
しかも 数段 美味しかったです!ビールにも焼酎にも最高!

◆ おお、 焼酎といえば、
沖縄の泡盛タイ米で造っているそうですよね?
チェンライの焼酎は地元チェンライのカオニャオ(もち米)から作っていて、
これがまたのどごしにクセが無く、飲みやすかったです~。
僕は通常、ノンルアの焼酎はキツくて飲みにくいのですが、
2本、買って参りました。
こちらへお越しの方は味見が出来ると思います。
(僕が飲みきっていなければネ)

◆ チェンライのどのあたりに「水牛」の牧場があるのか見かけませんでしたが、
水牛を飼うには泥の水たまり、ぬた場が要ります。

僕がオーイに「水牛も飼ってみたい」と言ったとき
「ぬた場がないので難しい」というのがオーイの答えでした。
昔のノンルアには、道路その他が未整備であったが故の
水たまりなどもたくさんあって、水牛がかえていたのでしょうかね。

ちなみに、車での移動中には通常の「牛」も時々見ました。
特徴は、ノンルアの牛飼いは数頭から せいぜい20頭までだろうと思われるのに対して
アチラで目にしたのは、4,50頭の群れの放牧!規模の違いがあるようです。

◆ さて、おかずの味付けですが、
帰ってきてから、自宅で自分の作った料理を食べながらのオーイの台詞は
「あ~、おいし~ィ!チェンライは 辛くないので美味しくない」
というモノでした。よほど辛いものに餓えていたらしかったです。
確かに、 《辛さの美味しい》イサーン料理 です。
オーイの気持ちは、ぼくにも判る気がしました。
チェンライの味付けは、《植物系の青臭い苦み》が際だっている感じかな?
(たとえて言うと、焼き茄子のお焦げの部分とか、ナマのゴーヤーの青苦さ)
この「苦み」自体については イサーン人も引けを取らず大好きなんですが、
「辛さ」の扱いについてはイサーンの勝ち、ということですかねぇ。

◆ 写真はラックさん顔見知りの犬料理屋さんの店先と裏の調理場、
そして「運命の日」を待つ、その店の裏の小屋にいるワンちゃんです。
88年ごろから何度か韓国へ行ってはポシンタン屋を捜したのですが見つけられず、
とうとう今年、 初めて食べてみました、犬料理。
柔らかめの牛肉、といった歯ごたえでした。
味付けは「チェンライ風カレー味」でしたので、ひょっとすると
臭い消しのためもあるのかも知れません。
土器職人のうちのカレンダーに輪を掛けるように
壁中に「王族の写真額」をびっしり飾った部屋の 冷蔵庫を
あけて見せてもらいました。
王族の盛装と、ギッシリ詰まっていた肉のストック。
そのアンバランス?な風景が実に印象的でした。