チェンライのバナナ、水、田んぼ

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◆ 一言で言うと、
チェンライは、ノンルアを含む東北部イサーンとは似ても似つかぬ
それはそれは《豊かな》土地柄でした。
言わば、戦後の、「マッカーサー天皇ヒロヒト」のツーショット写真のように
圧倒的な貫禄負け。
戦う前から勝負あり!といったレベルの優勢劣勢ぶりでしたね。

◆ 第一、水が《流れて》いた……。
ノンルアの近辺では、水を見る機会はあるとしても、
その水はたいていの場合流れていません。
それが明らかに「川」であっても、どちらが川上なのか?、
一体ホントに流れているのか?
目を凝らしてみてさえわかりかねる……。
ましてや、田んぼ(かどうかも疑わしいほど雑草の生い茂った荒れ田)のそばの
道沿いの溝のようなモノ(幅はまあ4、5メートル。水はあったり無かったり)に至っては、
《細長い溜池》とでも呼ぶほかないモノです。
「川」という単語でイメージするモノのようではなく、
微動だにせず、ひたすら蒸発し続けてながらもかろうじて消えずに保っている
といった感じで、決して流れておりません。
ほとんどの田んぼは、雨が降るのを待つのみです。

◆ 水が流れているとどうなるかというと、
雨期には《洪水》が起こります。
ラックさんの実家の裏の菜園は、
幅10メートル、深さ7、8メートルという感じの川の土手に面していて
ココに例のゴク甘サトウキビほかいろいろな野菜、根菜、瓜、ヘチマ?、カボチャ、
果物、香菜、その他が育っているのですが、
我々が行ったときも、ひざまでほどの水量で波を立てながら流れておりました。
(もちろん、ラックさんの趣味である投網打ちでの魚捕りなども可能です)

繰り返しますが、
その程度の「流れる川」自体、ノンルアにはあまりないのです。
ラックさんの話では、雨期の絶頂期には、
その土手を乗り越えて何度も家の床ぎりぎりまで水が来る!のだそうです。
だとすれば、この明らかに「ノンルアの ひび割れがちな赤土」とは別物の
ちゃんと畑土色をしている畑土は
山から流れて来る土なのかも知れません。

◆ ラックさんのウチに着いて、まず最初に驚いたのは
庭のバナナの株の巨大さで、
高さが、ノンルアのものの1.5倍から2倍はある。
(立体ですから、その迫力は2乗、3乗!)
一枚一枚の葉っぱをとっても、
その葉っぱでシバカれたら僕なんか倒れてしまいそうな迫力の大きさでした。
だいたい、その葉っぱをもぎ取ることも、それで何かを
シバクことも困難に違いないほどでかい。

ご近所を探索するウチに、
巨大なのはバナナだけではないことがよーくわかって来ました。
芋の葉っぱも、雑草も、鉢植えの花に至るまで、
およそ植物という植物の大きさが違っていました。
おそらくほとんどの草本類が
ノンルアでは育ち切れていないのでしょう。

◆ ラックさんに連れられて、バイクで田んぼや果樹園群も見に行きました。
コレハ イカン……。マッカーサーどころか、「絶頂期の横綱曙vs健おじさん」に訂正。
縦横に整備され延々と続く 幅2メートルほどの(春の小川風)灌漑用水路は、
音立てて流れている。
日本の畦で見かける灌漑用水路なんかの比でもない。

稲はしっかりと実って穂波ゆたかに遙か遠くまで揺れていました。
いやー、あんなに鮮烈に田んぼ田んぼした田んぼ群は
子どもの頃の遠足の風景か何か以来でしょう。
何十年も忘れていたような光景でした。
この地では、二期作が通常で、オーイによると三期作までやるそうです。
さすがは熱帯!太陽と水。
やっぱり稲は、こっちから来たんでしょう……

灌漑水路の土手にある十センチあまりのでかい巣穴から、
これまたでかいサワガニが出没します。
(子どもの頃、家の前の川で天神ガニを捕まえて遊んだなぁ)
てな事を考えているウチに
バイクを止めたラックさん、じゃぶじゃぶっと水に入るや
チョイと捕まえ酒の肴に サワガニを持ち帰ります。
甲の幅でも天神ガニの2倍はある……。何から何までどでかい!

◆ 木本でも、やたらとでかい木が多い。
ノンルアで見かける樹木の大半は直径15センチ程度止まりがほとんどなのに
逆にあちらの樹木は、たいていが20~30センチ以上はあるような印象です。
ノンルアとは《緑の密度》が圧倒的に異なっていました。

そうそう、一番大きな違いの一つは、
ノンルアでは見かけることのほとんど無い「薪割り」の風景があり
どこの家にも割木がうずたかく積みあげてあったことでしょう。
ノンルア周辺では薪を集めようにも、今やまともな木が無いのです。
ノンルアの各家庭では炭を購入して主燃料としています。

◆ これは「育ちッぷり」問題とは違いますが、
写真は、アチラの市場で必ず見かけたおやつ。
《数珠玉》ですよねェ?コレ……。デカ!
……ゆでて剥いて食えるモン。
味は、ちょっとモチモチっとした感触のトウモロコシの粒 という感じでした。