あなたはワープロで手紙を書きますか?(『みんなの日本語』に関連して)

イメージ 1

「わたしはワープロで手紙を書きます。」

◆ これ↑↑は、
今 ちょっと 教え方を検討中の、
みんなの日本語初級Ⅰ』第7課、冒頭の一文です。
この教科書は、おそらく世界中で一番多く使われている本ではないかなと思います。

……あ、今 ちょっと、
【数】で言うなら中国の『中日交流標準日本語 初級』のほうが多いかもしれないカモ?
と思ってしまいました。「すそ野13億+α」には勝てないかも……。

ま、各国語版が出ているし、関連補助教材も多いし で、
「日本発!」の教科書としては 現在 間違いなく最もツヨイ教科書でしょう。

人によっては、
「え?お宅の学校、『みんなの日本語』じゃないんですか?!」
などと驚くような類の お粗末な人も出るほどのダントツ知名度
言わば 教科書界の『広辞苑』!といったところ。

そろそろ、
多様な学習目的に応じた各種の良い教科書が使われる時代が来てくれるよう
祈ります。

ついでに言っときますが、
岩波書店広辞苑』は 今どき あまり優れた辞書ではありませんよ。

アレを買うぐらいなら、
(まぁ、古い古~い言葉は少なめですが)
◎『小学館日本語新辞典』とか
○大修館『明鏡国語辞典』とかのほうが
【手元に置く価値あり!】【引く価値あり!】だと思います。


◆ まあ、それはともかく、
「わたしはワープロで手紙を書きます。」

今さら【ワープロ】はないでしょ?
ワープロソフト」とは言うけれど、
ワープロ」自体は ほとんど死語ではないでしょうか。
もう製造してないはず?だし。
Wikipediaによると 2001年が最後のようです)

各国語版が出回りすぎて、今さら手直ししにくいのかも知れません。

ちなみに 僕の持っている本は、
1998年3月16日の「初版第1刷」です。

2000年9月15日初版のタイ語版では
「ヲートプロセッソ~」と音訳している形で訳が付いていますけれども、
今に タイの若い学生たちから
「コレは、何ですか?」と質問されてしまうか、
『ああ、日本では パソコンのことをワープロって言うんだな!』と誤解されてしまいそうです。
(取り越し苦労かな?でもやっぱり死語の放置はどうかなぁ……)

◆ それはそうと、
最近、自分の中の【日本語の常識】が現実に合わなくなってしまっているのを感じる機会が
増えています。

「KY」だの「JC」「JK」だのいう最先端?俗語のことではなくて

【あれ?】と感じることの、どこからどこまでが相手の言葉遣いの「間違い」なのか
自信が持ちにくい…ことが増えている…。
あれ?と思うその言い回しが 余りにもたびたび目にはいるので
市民権を得ているような気がすることが やや多すぎるのです。

★生きた言葉の世界では、
たとえどんなに変な言い方でも、
多数派の「常識」と化し 市民権を得てしまわれては、
どんな独裁者も もはや手の打ちようがありません。
「みぞゆう」も「ふしゅう」も、いつか「使い手が増え」れば そっちの勝ちです。
降参、降参。

さて、
例えばネ、
「昨日の夜に、……をしました。」
(「昨日の夜に」ね。まぁ いいけど、この人、「ゆうべ」って言うこともあるのかな?)

「昨日の朝に ……しました。」
(最近 頻繁に目にするけれど、この「に」……。
ぼくにはやっぱり【誤用】の範疇に感じられてならない。)

×?「昨日の朝に新聞で知りました。」
◎「昨日の朝、新聞で知りました。」

そのうち、近い将来、

「今日の朝に ……しました。」

というような、「タラちゃん言葉」が
国語辞典の例文にもなるのだろうか?
(……「今朝(けさ)」と言え、「今朝(けさ)と!)
(……「に」は要らんだろ~?!)

「わたしは 今朝(けさ)、

主食のカオニャオ(蒸し糯米)に
魚の干物と 日本渡来のレトルトカレー という朝食をとりました。」

あ、【夜ご飯】っていうのも定着してきたなぁ……。
僕自身は 使わずに死にそうだけど。