とうとう独りぼっち。 子ヤギのノットは、明らかに【心の病気】……。

ハーモニカを吹いて遊んでやるチョンプー
テープ君に ハーモニカを吹いて遊んでやるチョンプー

一見 楽しそうな写真なのだが、



大変なのは、後ろのノット(黒い山羊)

寝転がる 犬の親分カオラオとノット

◆ 8月初めに犬に襲われ、自分も噛まれ、母を失い……
 
◆ 青年ヤギに成長しつつあるとは言え、子ヤギのノットは、
一晩中、母を探し求めて啼き続けていた。
そういう彼自身も犬に噛まれてしまっており、
今日は獣医さんに化膿止めの注射をして貰いに行った。
母さんのように死なずにすんで良かったね……。

いつもなら僕などが近づいても、遊ぼうとして寄ってくるのに、
ゆうべからは なんだかおびえたように小さく啼きながら 
僕から離れていく感じ。

http://blogs.yahoo.co.jp/sanukmark/archive/2006/08/03
 
 
◆ その後、大人の山羊たちは売られて……、

とうとう 兄貴格の♂山羊と「二頭だけ」になっていたところへ
先日の「屠殺・解体」……

しかも、目の前で撲殺される兄貴格の悲鳴を
嫌と言うほど聞かされた。

※ これもタイ人「気質」と言うべきか、
山羊屠殺請負人の準備不足と不手際のせいで
一撃で殺す道具を持って来ず
あり合わせの木ぎれでやったものだから 悲鳴が轟くこと数度……。
(ちょっと非道かったなぁ、あれは)

ノットは最近、明らかに【心の病気】だ。


◆ バイクやトラックの音がすると、
まさに【脱兎の如く】当てもなく駆けだしてしまう。

多分、
トラックの音と共に仲間が減り(連れ去られ)、
バイクの音と共に屠殺請負人がやって来て最後の仲間を殺したのを
あらためて認識したのだろう……。

……ぴょんぴょん跳びはねて遊ぶ ほんの子ヤギの頃ならいざ知らず
あんなに駆け回る山羊を見るのは初めてで、
ほんとに 不自然だ。オカシイ……。

◆ 人間に触られる時も
以前と違って随分と恐る恐るで、

以前は大好きな「頭突きごっこ」遊びを仕掛けに
誰彼構わずノットの方から寄って来たものだったのに、
このところ、
人が近寄ると頭を下げてガードの姿勢になり 身構えることはあっても
ノットの方から遊びかけてくることは なくなっている。

◆ 首に付けている紐を引くと、
どんな時にも こちらの意志には抵抗し、
連れ去られまいと力尽くで脚を踏ん張る……。

とうとう独りぼっちになってしまったノットだ。
せめてお母さんさえ生きていてくれたらなあ……。

※ でも、もしネットが生きていたら、
性格が優しくて扱いやすかった彼女一頭だけ残して
ノットも処分されてしまった可能性も 高いけどね。
ノットは ネットお母さんの「忘れ形見」だから生き延びた。

人間って勝手だよねぇ。


そのくせノットの精神は、

【子どもの頃】に返ってもいる。


生まれたばかりのノット
生まれたばかりのノットと 新米お母さんのネット

◆ ノットは最近、何かというと 玄関先のここに居る。
(子どもの頃に
安心しきって 人間や 犬たちや お母さん山羊ノットと遊んだ)
この玄関先のタイルの上に自分の意志で戻ってきては
テーブルの下に隠れるように 小さくなって
びくつきながら警戒している。
そしてこのまま仮眠をとる。

◆ 普通に立ち上がると
もうテーブルにも背中がつかえてしまうほど
大きくなっているノットなのに、
赤ちゃん山羊の当時には おあつらえ向きの空間だった
この青い支柱の狭い隙間を、
子どもの頃とおんなじ様に
(無理矢理)くぐり抜けるように出入りする。

◆ 子どもの頃とおんなじ
左脇腹の一筋の白い模様がネットの子のしるし。
でもおまえ、
昔はこんなに立派なツノは無かったぞ……。

◆ どうしようかな……。
心が直ってくれる日を待つのにやぶさかではないが、

おまえの心は子どもでも、

♂山羊だから これからますます大きくなって
僕なんかの手に負えないような力持ちになってしまうんだよなあ。

正直言って 今が限界。
もっと大きくなってから全速力で駆け出されたら
こっちも周囲も危なくって
飼ってやれなくなってしまうかも……。

◆ とにかく今は
机の下に居るのを見たら、
「ノット。おまえの気持ちは わかったからな。」と
必ず声をかけて
身構える角の先や のど髭のあたりを撫でてやることに決めている。