ちょっと哀しい……

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◆ 実は、ちょっと哀しい、(そして限りなく不愉快な)お知らせです。

雌牛のサムリーと、雄牛のラドゥーが売られてしまいました。
《牛の価値》の世界は、僕にはよく判らない世界なんですが、
<何回試みても妊娠しにくいタチの個体は、売れるうちに売ってしまおう>
という論理のようでした。

《でも、そのタチを知りつつ売るってコトは悪質な詐欺ではないのか?》と
辞書を引きつつ僕が言うと、
《確かにそうだが、そういうものなのだ。》と言われた。

僕自身が、あの、人の良さそうに見えた「おじいさん」の詐欺に引っかかり、
今度は逆に、詐欺師としてソレを売りつける立場に立つという話だ……。

ぼくはだだっ子のように 一人で抵抗してみたのだが、
『子供を産まないであろう雌牛を、何を好きこのんで毎日飼うのか……』という空気。
ソレはその通りなのだが……。

《それでは、ちゃんと説明してから売るから、売ってもいいか?》と言われる。
……でも、そのタチを知っていて買う人というのは一体何者であり得るのか?
どう考えても、
「少しでも安く買いたたき、少しでも早く高値で売りつけて、その利ざやを稼ごう」という
もう一人の詐欺師以外には、僕には考えつかない。

◆ あの、人の良さそうに見えた「おじいさん」に、
タイ人一般に対する、僕の【基本的な信頼感】をごっそり奪い去られてしまった。
(そして、もう彼を恨むわけにも いかなくなってしまったわけだ。
僕自身も同じ穴のムジナに成り下がったのだから。)

◆ オーイの弟であるオーが意気揚々と2頭のアタラシイ牛を連れて戻ってきたが、
(ぼくは牛市場まで売りに連れて行く気になれず、全てを彼に預けてしまったのだ)
ぼくは【アタラシイ自分の牛】をさわって見ようという気力すら、すぐには湧いてこなかった。

ちなみに今度は2頭ともメスで、一頭は、今おなかに赤ちゃんがおり、
もう一頭は、「出産経験がある」という話の牛で、
どちらも、サムリーやラドゥより心もち?一まわり以上小ぶりな子だ……。
……どうしても、
『せっかく妊娠しているのに、なぜ売るのだろうか?オカシクナイカ?』
『本当に本当に本当に、妊娠経験があるんだろうか?』
と考えてしまう。

サムリーは、ババ抜きのババのように転売され続けて死んでゆくのだろうか。
ラドゥは、どこかで立派な種牛に育つのだろうか。

※ ラドゥは、子どもが大きく立派に育つ象徴であるという耳のばかでかい個性的な雄牛であった。
彼には或る期待値があるので、産まぬかも知れぬ雌牛とセットになって売られているのかも知れないな……、
真相はわからない、今は敢えて知りたくもない。