ぼくの雌牛サムリー

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ぼくの雌牛サムリー。

先日、知人がメールで

「毎月いくらぐらいで しのいでいるのか?」と訊いてきたが、

まだまだここでの暮らしが順調に動いているわけではないので

簡単には答えられない。

というか、実は、このところ、出費が嵩んでいる。

もしも、《この調子》で毎月出費が嵩むようなら、

日本にいたほうがまだ安上がりになる

……くらいの出費状況なのだ。

そんな中、今日は牛を2頭購入した。

雄牛が一万九千五百バーツ

雌牛が三万九千五百バーツだった。

日本円で、約16,7万円。

『2頭で、ノートパソコンぐらいかな?』などと考える自分がいて、

自分自身ちょっと嫌にもなるが、

そういう文化で雁字搦めになったままでのタイ暮らしだ。

この牛がやがて子を産み、それを育て上げ、

いつかはそれを売ることになって、

……と、今回の この出費が

長い目で見て、ぼく自身の生活費の助けになってくれるのか、

それとも日本で飼っていたラブラドールの〈快〉ちゃん同様、

共に暮らす《家族》となっていくのか、

(つまり経済的には、更なる出費につながるだけ)なのかは、

今のところ判らない。

『雌牛一頭だけだと 淋しいんじゃないかな?』などと

勝手な思い入れで同時購入を決めた 雄牛のラドゥーも

「来年には《種牛》に成長して、

一回500バーツもらえるようになる」と言われたが、

『40回種付けしたら原価償却かぁ』などと考える自分が嫌だし(あはは)

そもそも、その「来年」まで、

ちゃんとビザが更新できたり、

健康に問題なかったりするのかどうか、前途は不明なのである。

無心に草をはんでいる牛たちをじっと見ていると

本当にかわいい眼をしていて

のどのヒダヒダや、おなかや背中、コブなどを撫でてやると、

(牛はうれしいのかどうか判らないが、)

こちらの掌はとってもあたたかくて気持ちいい。

特有の堅くて長ーい耳も、あたたかいよ。

ずっと以前に

《牛さんは草だけ食べてやさしい眼》とか、

《青汁を飲むと奥歯が丑になる》

などという川柳を作ったことを思い出したりしながら

飽きずに眺めていた。

お互いにお金を丁寧に何度も数え直して、支払って、連れて帰る時、

売ってくれたおじいさんに 牛の名前を聞いたら、

一頭ずつ、ちゃんと教えてくれた。

あのおじいさん一家も、かわいがって育ててきたんだろうな。

2頭を載せて走り去る 僕らのトラックに向かって

仲間だった牛たちが口々に モ~!モ~!

と叫んできたのが忘れられない。

こちらに来てからも、2頭はよく呼びかけ合うように啼いていて、

『一頭だけにしなくてよかったな』と、ちょっと思ってみる。

大切に世話をしてやらなくてはネ。

(……勿論、ノートパソコン以上にネ!)